投稿記事:「どうぞおはいりください」(おやつの会)

「どうぞおはいりください」
-お茶もお菓子もございます。お代はいただきません。-

関戸・一ノ宮地区 尾崎 ナオ

 「泣いた赤鬼」という童話をご存知ですか?
 村はずれに住む心優しい赤鬼は、鬼であるばかりに疎外され孤立していました。ムラビトたちと仲良くなりたくて、「おやつの会」という立て看板を出して、無料カフェを始めました。けれども、「行ったら最後、捕って食われる」と恐れられれただけで、ムラビトとの距離は開くばかりでした。
 山向こうに住んでいる青鬼は、赤鬼のムラビトに対する幻想を危惧しながらも、傷つき弱り果てた赤鬼のために一肌脱ぎます。「いい赤鬼」が「わるい青鬼」を退治するドタバタ芝居をプロデュースし、体を張って演じきります。赤鬼は、青鬼の目論見どおりムラビトたちのヒーローになります。

 「わるい青鬼」は棲家に居続けることはできません。芝居を打つことにしたときから決めていたとおり、赤鬼の望む幸せのために静かに消えます。
 一方赤鬼はムラビトにとって仲間ではなく、あくまでもまれびとなのでした。そのことを思い知ったとき、赤鬼は青鬼を山向こうに訪ねます。そこには青鬼からの思いやりあふれる手紙が残されていました。赤鬼は青鬼の無償の愛を知り、青鬼の友情を粗末にしたことに気づき、永遠に失った一番大切な友人との時間を悼みます。

 赤鬼も、2匹集まればムラを作り、3匹寄れば派閥を作る習性は、ムラビトと同じ。でもなぜか、鬼はムラビトよりも一人ぼっちが似合っています。
 青鬼は今日も旅しているかしら。雨に降られたら雨宿りしていってくれるかしら。
 赤鬼は今日もひとりお茶をしているかしら。お散歩ついでに、ふらりと多摩教会のおやつの会を覗いてくれるかしら。


※ 「おやつの会」
 毎週木曜日の午後3時から、信徒会館1階で開かれる、気軽な集い。お茶やおやつを囲んでおしゃべりを楽しみます。少しですが、詳しくは、→ こちらをご覧ください。