連載コラム:「第7回チャリティ・コンサートを終えて」

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連載コラム「スローガンの実現に向かって」第88回
第7回チャリティ・コンサートを終えて

崔 承埈(チェ・スジュン)

 輝かしい新緑と美しいギターの音色、毎年GW連休の始まりを飾るチャリティコンサートを今年も大盛況のうちに終えることが出来ました。震災の年2011年に、元々日本にコンサートの予定があったキム・ソンジンさんが震災直後、被害者の為に何か役に立ちたいと自ら申し入れがあり、チャリティコンサートを行ったのが原点です。
 まだ記憶に新しい震災直後の5月は余震が続き、福島原発も予断を許さない状況であった為、多くの外資系企業が従業員を東京から避難させ、予定されていたコンサート等もアーティストの来日キャンセルが相次ぎましたが、キムさんは潔く来日を決断してくれました。
 今年に至るまで合計7回のチャリティコンサートを通じて、被災地を思いやる気持ちはもちろん、通訳の要らない共通言語としての音楽の素晴らしさを伝えてくれています。挨拶や曲の解説は通訳を介さないと通じない。しかし演奏が始まると国、言語、人種の壁は消える。この当たり前のようで不思議なことは、きっと神様の御業だと思います。

韓国でもキムさんの趣旨に賛同する音楽の仲間が増え、今年はヴァイオリンとクラリネットも加わり、いつも以上に華やかで迫力のある音楽を楽しむことが出来ました。ギターは独奏楽器としても素晴らしいですが、今回のようなギター五重奏、ヴァイオリン、クラリネットとのアンサンブルにおいても主演と助演をしっかりつとめ、様々なジャンルを消化できるオールマイティーな楽器であったこともとても興味深かったです。
 『愛の挨拶』の美しい旋律で始まり、『アヴェ・マリア』、ジブリのお馴染みの温かいメロディ、情熱的なタンゴ、『死の舞踏』、『オペラ座の怪人』といった大曲まで、誰もが楽しめる選曲も素晴らしかったです。全ての曲のアレンジを行った音楽監督のジョンさんは聞き手に臨場感を感じさせることがひとつの編曲ポイントとのことで、曲の主要メロディが偏ることなく、色々な人と楽器に分散されることによって演奏に立体感を与えているそうです。
 韓国の演奏者たちと日本の聖歌隊による合奏も大変感動しました。いつかクリスマス・コンサートとして開催し、キャロルともっと沢山の曲を合奏出来ればと思います。キムさんが1回目以降一貫して伝い続けてきたメッセージ、「音楽を通じて被害を受け苦しんでいる人々を思いやる」を今後も実践していきます。

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