教会は機能しています

教会は機能しています

主任司祭 豊島 治

 (この原稿は編集の方が指定した締め切りの1時間前、4月29日午前8時21分に記しています。情報はこの時点での内容です)

1. 前号ニューズ巻頭言の結びは「ゼロでいます」でした
 前回の多摩カトリックニュースは3月21日発行なので一カ月も間が空きました。教区の指針が頻繁に出される中で、どの時点で発行するのがニュースとしてふさわしいかという問いかけの中で、4月末が適当と判断し、4月18日発行を延期したのです。
 前号で巻頭言の結びは以下の内容でした。
 ● 一人で祈っているとしても、祈りは一人ではない、万軍の天使が共に賛美をしている。
 ● マイナス気分になりそうなときは、せめて「0(ゼロ)」状態にもっていきましょう。それより無理に高くせず、低くなりそうなときは復活を通した主の力を求めましょう。
 しかし、自粛が3週間も続くと別の感情と考えが出てきてしまうものです。「話したい」「楽しみたい」「別のことをしたい」「逃げたい」という気分の転換です。ゼロにするのは難しくなっています。そんなとき、どうしていますか?
2. 毎日15分の祈りを
 青年時代、祈りを教えてもらった時、「1日15分祈るといいよ」と言われました。1日は1440分。1日のおよそ100分の1を神様との時間を持つというのです。はじめは集中できなくて苦痛でしたが、今は、インターネットやテレビの情報で気持ちが振り回されることの抑止になっていると、愛されているという原点に戻れていると、教わった仲間と分かち合っています。
 私は「ミサに出席できない間のすごし」を全信徒に発行していますが、時間的配分に活用できる構成となっています。15分の祈りの流れを習慣づけるためにお使いください。
3. 多摩教会を意識するための「本日の多摩教会」ブログを活用して
 公開中止となっても、ミサがいつも通り多摩教会聖堂で行われています。ただ信徒が参加できないだけです。教会法で聖櫃がある聖堂では、月二回ミサが行われなければなりません。祭壇も主日には飾られているし、総務・会計などの運営機能はいつも通りです。東京の教会の情報が来ましたら、ブログに載せるよう心がけています。「今」を知るツールです。毎日の祈りの前後にお使いください。(多摩教会入門係ブログのサイトを一時お借りしてUPしています)
4. 神の臨在を感じ取るために
 インターネット配信のミサが行われていますが、そのミサ説教の中でこのような言葉がありました。
 「インターネットでミサを配信することで、即座にもう教会の建物はいらない、教会はバーチャルで充分だと結論づける誘惑もありますが、わたしは、教会共同体の意味を、あらためて落ち着いて見つめ直す機会が与えられていると思っています。ただ単に、日曜日にミサに出ればそれで終わりの教会ではなくて、日常生活の直中で、人間のいのちの営みに直接関わる教会のあり方を、あらためて模索する機会を与えられていると思います。信仰は生きています。」(4月26日、菊地東京大司教ミサ説教)
 神の臨在を感じるための、受け身でない行動も期待されています。行動する時期は今かもしれないし、安全になってからかもしれません。それぞれの立場でしょう。
5. 教会はこの事態にどう向き合うのか
 東京大司教は私にこんな内容を伝えてきました。

 「東京教区としても今回は大災害のようなものですから、いのちを守るために何ができるか、具体的な検討をしていったらよいと思います。(中略)この時期を利用してアイディアを出した方がよいと思います。それは心に留めてください。」
 現段階での情報をお伝えします。

 5-1 カリタスジャパンは募金を開始しました。
 スピードあるケアが必要な現在、以下の内容の支援のための募金を開始しました。今回は具体的に支援先が決まって募金という流れではなく、それぞれのカリタスジャパン教区担当がその現場の必要に応じて、つなぐ方式としています。それはタイムリーな支援の形であると思います。募金方法はカリタスジャパンのHP(こちら)で確認ください。
 ● 住まいや食糧、衣料や居場所の確保、滞日外国人のケア
 ● 優先される方々へのサポート、情報の保証、医療などを重点対象として支援

 5-2 東京教区福祉委員会がマスク&ポンチョを集めています。
 感染の危険を顧みず、医療や福祉に従事されている方々の現場では、身を守るためのマスクやポンチョの不足が深刻化しており、東京教区福祉委員会で集めています。もちろん自身と周りのためにマスクが必要です。余裕がありましたら検討ください。送料は自己負担でお願いします。東京教区HPに掲載されると思いますが、多摩教会マスク係まで送りください。
 ということで、豊島神父のためにお祈りください。頑張っています。

 今まさに、必死になってウイルス感染の危機と向き合っている人がいます。
 自身の感染の危機を顧みず命をつなぐケアをしている人がいます。
 一人でなく私たちがつながって乗り越えることができた。
 その事実を証しするため、その歴史を刻んでいくために、ご協力お願いします。