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2000年2月号 No.318  2000.2.12

1 聖堂建設工事雑記(5) 宮下 良平神父

  聖堂建設工事雑記(5)

                                  宮下 良平神父
 2月中旬になって、鉄骨の周りにALCという壁が付きました。そして窓にサッシの粋が取り付けられています。外壁が付き終わるといよいよ屋根の工事に入ります。少しずつ外観が整ってきました。
 そして献堂式の準備も少しずつ具体的に動き出しています。献堂記念誌の作成のために依頼してあった原稿も集まり始めています。
 献堂記念誌の特徴は出来る限り写真を多くしようと考えています。多摩教会の歴史などに関しては25周年の記念誌でかなり詳しく述べられていますので、この献堂記念誌は出来る限り本聖堂建設に関しての内容に留め、ある面では多摩教会聖堂のガイドブック的なものになる予定です。
 今までに集められた原稿の中で、復活のキリスト像を制作されたSr.エゼキエルは「一つの神秘の二つの面であるキリストの死と復活を、一つの同じ動きの中で表現することを願いました」とおっしゃっています。
 また、イコンを制作されたSr.内海郁子さんはこの 「印の聖母」イコン制作の一年の日々を振り返りながら「イコン画家が仕事場で一人で居ても、いつも教会の中で、教会と共に、教会に仕えられて仕事をしている」と言われ、多摩教会の皆様と共にこの聖堂建設のために祈りながら描かれたことを語られています。
 そして、ステンドグラスを制作されたカルペンチィール神父様は、多摩教会のステンドグラスの説明をされながら、次のようなことも述べられています。「ステンドグラスを見つめることにより、私たちは自然を見ることができます。それは外部の自然の変化を見ることです。もし風が吹いて、本の葉を揺らすと、色は変化し、ステンドグラスにその効果を及ぼします」と。
 ところで、昨年12月末で雄建築事務所を退職された長谷川さんから絵はがきが届きました。
 彼は、大谷次長さんと一緒に聖堂建設設計発案の時から私たちと関わっていました。その彼は、いわゆる「青年は荒野を目指す」とでも言いましょうか、この工事が順調になった年末に、かねてから出していた退職願が受理きれたのです。
 そして、今はヨーロッパを一人旅しており、バチカンを訪れたとき多摩教会の方々宛に絵はがきを送ってきました。
「現在、ローマにおります。キリスト教関係の仕事をさせていただいたこともあり、ここよりお手紙するのが一番良いかと思い筆をとりました。工事の方も、かなりメインの部分に入っているかと思います。無事の完成心よりお祈りいたしております」と。長谷川さんはその旅を終えてから設計の仕事を探すそうです。

 工事が進むに連れて、この聖堂建設に携わっていただいている全ての工事関係者の方が、普段と違ってなかなか建てることの出来ない特別な建物を造るという気持ちを持って、仕事に励んでくれていることがわかります。
 ですから、毎週の打ち合せでは私たちの要望に関しては当然答えてくれるのですが、設計と現場の立場から、時にその立場からというよりいわば、「聖書に満たされて」とでも言うような「このようにしたらどうでしょう」と、こちらが思いもつかない素晴らしい提案をよく出されます。本当に、いい聖堂を建てたいという熱意が伝わってきます。そして、その熱意と誠実さには頭が下がります。そこにも神のみ旨を実現する力強さと計らいが示されているように思えます。来月には内部の工事に入ってゆきます。
                                             神に感謝

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