巻頭言:主任司祭 晴佐久昌英 「光と、ことばと、水と、パン」

光と、ことばと、水と、パン

主任司祭 晴佐久 昌英

 ご復活おめでとうございます。新受洗者のみなさん、本当におめでとう。そしてすでに洗礼を受けられたすべての信者のみなさんに、改めて受洗おめでとうと申し上げたい。もうだいじょうぶです。みなさんは、神に救われました。
 
 洗礼式を含む復活徹夜祭は、4つの美しいシンボルで飾られています。
 一つ目は、光。
 光のない世界は考えられません。神は永遠の恩寵として光を創造し、限りない愛を持ってキリストを輝かせました。人を閉ざしているあらゆる闇を吹き飛ばすためです。
 司祭は復活のろうそくに新しい火をともすとき、高らかに宣言します。
 「輝かしく復活したキリストの光が、心の闇を照らしますように」
 みなさんの心にともった復活の光は、決して消えることなく輝き続けます。

 二つ目は、ことば。
 世界は神のみことばによってつくられました。そのみことばは、すべての神の子に「おまえを愛しているよ」と語りかけています。みことばであるキリストは、聖書を通して「おまえを永遠に愛しているよ」と語りかけています。
 神の救いの歴史と、主の復活の出来事が聖書で読まれたあと、司祭は説教において宣言します。
 「この救いの歴史は、みなさんにおいて完成しました。この主キリストは、みなさんのうちに復活しました」
 みなさんはみことばによってつくられ、みことばにおいて救われているのです。

 三つ目は、水。
 いのちの水、誕生の水、清めの水です。神から流れ出て、人を満たし、生きるものとする水です。みなさんは、「だれでも渇いているものはわたしのもとに来なさい」というキリストのもとに来て、この水に沈められ、この水から新たに生まれたのです。
 司祭は受洗者一人ひとりの名を呼び、水を注ぎながら宣言します。
 「わたしは、父と、子と、聖霊のみ名によって、あなたに洗礼を授けます」
 みなさんはその時、ほんとうの意味で生きるものとなりました。

 そして四つ目は、パン。
 神の愛の目に見えるしるし、キリストのからだであるパンです。受洗者にとっては初聖体拝領となるこのパンを食べることこそ、神の子の生きる意味であり、キリストの家族の一致の実現です。まさに「このパンを食べる者は永遠に生きる」のです。
 司祭は一人ひとりにパンを示し、「いままでつらかったね、ほんとうに、ほんとうによかったね」という思いを込めて宣言します。
 「キリストの、からだ」
 みなさんはこのパンを食べ、ついに神とひとつになりました。

 繰り返し、万感の思いで申しあげます。
 「洗礼おめでとう!」
 これ以上におめでたいことは、この世界には存在しません。